かつては完全に規則を一致させる事が難しいマシンだった!!

こちらは、昨年までWEC世界耐久選手権LMP1のマシン。
昨シーズン2019年~20年のオーバーシリーズまではLMP1と呼ばれているのが最高峰クラスでしたが、今季の2021年からLMP1からハイパーカークラスとなり規則などが大幅に変わりました。それには理由がありWEC世界耐久選手権に似たレースがあり、それがアメリカ・カナダを中心に開催をされている米国の国際モータースポーツ協会(IMSA)によって運営を行っている、ユナイテッド・スポーツカー選手権のプロトタイプ (P)クラスと一緒にレースを行う為に規則などの統合が必要であったのですが、統合を行ったはずなのに、何故また再び別の名称LMH・LMDhと2つに分かれているようになっているかを執筆して行きます。
スポンサードリンク

こちらは、ユナイテッド・スポーツカー選手権のプロトタイプ (P)クラスのマシン。
LMHとは??
LMHとは…基本はLMハイパーカー規定と呼ばれています。2019年6月にフランス西部自動車クラブ(ACO)が発表を行いました。その半年後のFIAカウンシルで、『LMハイパーカー(LMH)』と呼ぶ事を決めました。WEC世界耐久選手権側のLMP1の要素が強くほぼ旧LMP1と同じく自動車メーカーなどがほぼゼロから設計が出来てLMDhより設計から開発が自由な分参戦コストが高くなる。我々の日本のトヨタはハイブリッドシステムを搭載しているが他のメーカーは非搭載に出来る規則は旧LMP1と同じです。新しいハイパーカークラス(LMH)は旧LMP1よりハイブリッド搭載マシンとハイブリッド非搭載マシンの性能の差が更に生まれにくくなっている。現在はトヨタ、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(SCG)、今年と来年のみ旧LNP1クラス規則のマシンを使用してアルピーヌの3メーカーが参戦しています。今後は来年の2022年からはプジョー、2023年の予定でフェラーリと過去に参戦を行っていた強豪メーカーが復活をします。今までよりより過酷になる中において我々の日本のトヨタは2013年から積み上げて来た強さがどこまで通用するかが楽しみです。更に先行して始まっているLMHと事情により後続で始まるLMDhと同じサーキットで戦うレースの日が待ち遠しく楽しみです。
私がLMHの規則を読んで感じた事は、決められた規則がありますが、下記のLMDhより比べ開発の余地が多くあって自社でパーツを製造が出来て探求性があり良い一方で、参戦を行ったが成績が悪いと言い訳がしにくく自動車メーカーの責任が重たくなって来るなと感じました。
2022年からのハイパーカークラス(LMH)の予定されている構図!!

来季の復帰参戦をするプジョー9x8LMHは何とリアウイングが無い所が注目されている。

LMDhとは??
LMDhとは…先に分かりやすく言うとLMHより安いコストでルマン24時間耐久レースを含むWEC世界耐久選手権に参戦ができます。安いコストで参戦が出来る分、先述のLMHよりほぼゼロから設計やパーツの製造が不能な上、設計から開発がルールによって厳格化されています。その内容とは、車重は最低1030kgでLMHと同じ、エンジン出力は最高630馬力まで、ハイブリッドシステムの搭載を行う場合は、必ず指定をされているボッシュ製の50kW(67hp)の電気モーターを搭載して、更にバッテリーはウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングのワンメイクを搭載しなければなりません。半面LMHの場合は自動車メーカーがハイブリッドシステムをゼロから造る事が出来るので自由があります。LMDhの車両はダウンフォース:ドラッグの比が4:1と定められています。ホイールベースは全車共通の3150mm、全長は5100mm以下、全幅2000mm以下に定められており、シャシーは、コンストラクターは認可を受けた4社(オレカ、リジェ、マルチマティック、ダラーラ)しか使用が出来ません。エンジン部分を除くコストは約100万ユーロ(日本で2021年9月上旬現在では130,347,500.00 円)を想定しています。参戦メーカー予定されているのは、確定しているのはポルシェ・アウディ2023年〜、現在はプロトタイプ (P)クラスのDPi規則で参戦を行っているキャデラックです。更にアキュラ(ホンダ)2023年〜・現状IMSAのみへの参戦予定)が参戦を表明していますが今後のWECへの参戦への可能性を残している。更に参戦開始の時期は未定ですがBMW、ランボルギーニが構想段階でメーカー名が上がっています。因みにアキュラ(ホンダ)2023年〜はホンダが既にF1から撤退をしている事からアキュラでは無く直接ホンダとして参戦を行うと噂をされています。

私がLMDh規則を読んで感じた事・・・
私がLMDh規則を読んで感じた事は、決められたパーツなど多くあまり自由の余地が少ない事から日本のスーパーGTのGT300クラスに参戦をしているマザーシャーシー通称MCに近い規則の様な感じが致しました。このLMDhマシンのパーツなどは色々な指定メーカーが入っているので自動車メーカーへプレッシャーはLMHと比べて少なく自由な精神でレースに参戦が出来ると思いました。更に何処が指定パーツを上手く使えるかが見所です。

※ 左がキャデラック、左がポルシェ・アウディ。
既に参戦に向けて動き出しているLMDh勢(ポルシェ・アウディ、キャデラック)
まとめ
まとめると、WEC側の旧LMP1規則は製造・開発・参戦を行うには高額なコストが必要となりハイブリッドシステムを搭載する事になれば更にコストが跳ね上がる事になる事から、それが新規参戦への高い壁となります。当時特にハイブリッドシステムの搭載を行っていた自動車メーカーは当初はポルシェ・アウディ、トヨタの3メーカーでしたが、2016年にアウディ、2017年にポルシェが撤退をして自動車メーカー直接参戦しているのはトヨタだけとなり、現在のLMハイパーカー(LMH)規定になった今年までの4年間はトヨタが総合優勝をしていますが、来季から要約ハイブリッドシステムを搭載した自動車メーカーのプジョーが復帰参戦を始めますが、その中でも連覇は出るのか、更に今後ユナイテッド・スポーツカー選手権側のプロトタイプ (P)クラス参戦しているメーカーも加わってくる中2013年から一番長く参戦を継続しているトヨタがどこまで強さがあるのかが試されます。私の勝手な予想ですがその頃にはトヨタのマシンは進化をして車名がGR020に変わっているかもしれないですね。更にマクラーレン、フォード、ジャガー、再度日産(ニスモ)が来ると噂もありLMH・LMDhともに楽しみなカテゴリーになりそうです。日本のスーパーGTのGT500クラスとドイツの旧DTMの規則の統合は一瞬の夢の様な感じで苦しくも終わり去ってしまいましたが、こちらは、今の苦しい社会情勢に負けずに強く推し進めて行って欲しいです。

コメントをお書きください